ホーム / いきいきと毎日を過ごす /

思い込みを捨てるには-2

思い込みを捨てるには-2

by 星 ゆいこ
この投稿のコメントは受け付けていません。

『思い込みを手放す-2』

 

"ある日曜日の朝、ニューヨークの地下鉄で体験した小さなパラダイムシフトを、私は今も覚えている。
 
 
乗客は皆黙って座っていた。
 
新聞を読む人、物思いにふける人、目を閉じて休んでいる人。
 
車内は静かで平和そのものだった。
 
 
そこに突然、一人の男性が子どもたちを連れて乗り込んできた。
 
子どもたちは大声で騒ぎだし、車内の平穏は一瞬にして破れた。
 
 
男性は私の隣に座り、目を閉じていた。
 
 
この状況にまったく気づいていないようだ。
 
 
子どもたちは大声で言い争い、物を投げ、あげくに乗客の新聞まで奪いとるありさまだ。
 
迷惑この上ない子どもたちの振る舞いに、男性は何もしようとしない。
 
 
私は苛立ちを抑えようにも抑えられなかった。
 
 
自分の子どもたちの傍若無人ぶりを放っておき、
 
親として何の責任も取ろうとしない彼の態度が信じられなかった。
 
他の乗客たちもイライラしているようだった。
 
 
私は精一杯穏やかに、
 
「お子さんたちが皆さんの迷惑になっていますよ。少しおとなしくさせていただけませんか」
 
と忠告した。
 
 
男性は目を開け、子どもたちの様子に初めて気づいたかのような表情を浮かべ、
 
そして、言った。
 
 
「ああ、そうですね。どうにかしないといけませんね……病院の帰りなんです。
 
    一時間ほど前、あの子たちの母親が亡くなって……
 
    これからどうしたらいいのか……あの子たちも動揺しているんでしょう……」
 
 
 
その瞬間の私の気持ちを想像できるだろうか。
 
私のパラダイムは一瞬にしてシフトした。
 
 
突然、子どもたちの様子がまったく違って見えたのだ。
 
 
 
違って見えたから、考えも、感情も、行動も変化した。
 
私の苛立ちは消えてなくなり、態度や行動を無理に抑える必要はなくなった。
 
 
私は男性の苦しみに共感し、同情と哀れみの感情がとめどなくあふれ出た。
 
 
「奥様が亡くなられたとは……お気の毒に。
 
 さしつかえなければ話していただけますか?何か私にできることはありませんか?」
 
 
すべてが一瞬にして変わったのである。"
 
 
― from "スティーブン・R・コヴィー著 完訳 7つの習慣 人格主義の回復"
 
 
 
 
パラダイム、というのは、
 
ものの見方、考え方を支配する認識の枠組み、ですが、
 
 
簡単に言えば、「思い込み」「当然」「大前提」「常識」「当たり前」といえます。
 
 
 
当たり前なので、
 
自分がそう思っていることにすら、気づくことができません。
 
 
認識できないんです。
 
 
 
唯一、気づくことができるのは、
 
枝葉の部分。
 
 
「イライラさせられていること」
 
 
です。
 
 

「イライラしている」ことは、すごくわかりやすいですよね。

 

著者は「精一杯穏やかに」声をかけたとありますが、

普通は、それすら行動を起こせる人は、稀だと思います。

 

 

イライラしても、

 

「最近の子どもは…」

「最近の親は…」

 

と、不満を抱えたまま、思い込んだまま、

 

早く自分の降りる駅に着かないか、

スマホでイライラを解消するか、どちらかでしょうか。

 

 

それとも、

 

良い子にする子育て、

褒める子育て、

叱らない子育ての本を、手に取るでしょうか。

 

 

イライラしながらも、

「精一杯穏やか」に、声をかけたことで、

「本当の理由」を知ることができると、

 

" 突然、子どもたちの様子がまったく違って見え (中略)

違って見えたから、考えも、感情も、行動も変化した。
 
 
私の苛立ちは消えてなくなり、態度や行動を無理に抑える必要はなくなった。
 
 
私は男性の苦しみに共感し、同情と哀れみの感情がとめどなくあふれ出た。(中略)
 
 
すべてが一瞬にして変わったのである。"
 
 
 
本の中では、パラダイムシフトとありますが、
 
 
このように、
 
一見、非常識で、ありえなくて、世間的にはNGなことでも、
 
 
「本当の理由」を知ると、
 
 
「思い込み」「当然」「大前提」「常識」「当たり前」から出ていたイライラが、消えてなくなります。
 
 
それも、一瞬にです。
 
 
 
躾が悪いわけでも、
 
親が悪いわけでも、
 
子どもたちが傍若無人な訳でもない。
 
 
必ず、そこには「本当の理由」があるとき、
 
一瞬で、苛立ちを消してしまうことができます。
 
 
 
誰かのせいにして、ずっとイライラすることもできるのと同じように、
 
「本当の理由」を知って、一瞬でその苛立ちを消してしまうことができるんです。
 
 
 
なぜ、この文章をご紹介したかというと、
 
セッションでは、これと同じことをやっているからです。
 
 
 
深く深く、思い込みを突破して、
 
苛立ちの大元を辿っていく。
 
 
 
環境のせい、社会のせい、
 
親のせいにしていた「勘違い」や「誤解」を、
 
少しずつ、少しずつ、紐解いていく。
 
 
 
そして、
 
子どもたちへの様子が違って見えたように、
 
 
ものの見方が変わる、苛立ちが消える。
 
 
抑えていた感情を無理に抑える必要がなくなる。
 
 
感情と行動が変わる。
 
 
 
まさに、クライアントの方が歩まれている道筋です。
 
 
 
なぜ、セッションをするのか、よく聞かれるのですが、
 
その理由は、いたってシンプルです。
 
 
 
頭の中で考えても、どこを探しても、
 
「本当の理由」は絶対に出て来ないからです。
 
 
 
なぜなら、「思い込み」「当然」「大前提」「常識」「当たり前」の中でしか、
 
自分では、意識的に考えられないからです。
 
 
 
そこには、今までの経験や、知識、習ったことや、教わったことしかはいっていません。
 
 
そこから見た世界は、どうしてもイライラさせられるようにしか、
 
物事を見ることしかできません。
 
 
 
 
一時間ほど前、あの子たちの母親が亡くなって……
 
    これからどうしたらいいのか……あの子たちも動揺しているんでしょう……」
 
 
 
これくらい、思いもよらないかった、想像もつかなかった、
 
「子どもたちの傍若無人の行動の理由」
 
 
つまり、本当の理由を知るためには、
 
 
アドバイスや、テクニックや、
 
行動を促すことでは、出てこないからです。
 
 
 
 
全ては、理由でできています。
 
 
 
それも、自分では思ってもない、想像を遥か超えた「理由」でできています。
 
 
 
思い込みを外そうとするのでもなく、
 
イライラさせられることから逃げるのでもなく、
 
他のことを考えてやり過ごすのでもありません。
 
 
 
苛立ちのその奥に、
 
ちゃんと「本当の理由」があって、
 
「イライラというわかりやすいサイン」を出すことで、
 
 
あなたが気づいてくれるのを、「本当の理由」に気づくのを、ずっと待っているんですよ。
 
 
 
 
言い換えると、「本当の理由」に気づくまで、
 
ずっとイライラさせられっぱなしで、
 
 
しかも、それは、しつこい壊れたレコードのように、延々と続き、
 
イライラはどんどん強烈に強力にパワーアップしていくので、要注意です。
 
 
 

この記事を共有する

コメントは締め切りました