もう一つのグリーフ

『もう一つのグリーフ(喪失悲嘆)』

 

グリーフケアという言葉は、

あまり知られていませんが、

 

徐々に、

 

死別の苦しみや別れのつらさをケアする、

癒すということができる、

 

その必要があるということで、

 

少しずつ広まってきている言葉であり、

注目されている活動です。

 

 

グリーフとは、

大切な人との喪失悲嘆、悲しみという意味ですが、

 

その悲嘆の元となるのは、

死別に限りません。

 

 

引っ越しによる、

住み慣れた街や環境の「喪失」だったり、

 

離婚による「片親」の喪失だったり、

 

グリーフの意味は広く使われます。

 

 

私の場合は、父を亡くした悲しみと同時に、

「生きる指針」も失ってしまったため、

 

壮絶なグリーフ(喪失悲嘆)を抱えてしまいました。

 

 

つまり、

 

「生きる指針」=「自分そのもの」=「父」

 

になっていたんです。

 

 

父が癌になって、

大変な思いや医療の現場で思い知らされることもあり、

ヘトヘトで、

 

ガンを恨んだり、

主治医を責めたり、色々しましたが、

 

あのまま、父が元気で生きていたら、と思うと、

 

私は、自分の中心に「父(の教え)」があることに気がつかず、

子育てに仕事に邁進していたらと思うと、

 

不謹慎かもしれませんが、実は、ちょっとゾッとします。

 

 

時々、「過去は変えられる」と聞くことがありますが、

 

父が亡くなった過去は、どうやったって変えられないし、

そもそも変えようと思わないし、

 

変えられない自分の努力が足りないとか、

意識が弱いとか、気持ちが弱いとか、全く思いません。

 

 

当たり前のことですが、

 

「過去は変えられる」というのは、

起きてしまった出来事に対しての、

自分の解釈、受け取り方をどうにでもできる、という意味です。

 

「死」=思い出したくないつらい過去

 

のままで抱えているか、

 

「死」=自分で歩み始めるきっかけ

 

にするか、どうにでもできる、ということです。

 

 

 

そして、なかなか死別の喪失悲嘆から抜け出せなかった、

もう一つの大きな理由は、「後悔」です。

 

父が生きている間に、もっとできたことを、悔やみました。

父が生きている間に、できただろう、幸せな健全な親子関係の喪失。

 

ここがとてもつらかったんです。

 

(後で知ったことですが、肝がんによる

 

もっと、感謝を伝えられただろうし、

お金も時間もかからない、もっと簡単にできたことがあった、ということに、

 

初めて「死」を突きつけられたことで、初めて気がついたんです。

 

その恥ずかしさと、傲慢さに、打ちのめされたんです。

 

 

 

「死別の苦しみ」

について、たくさん書いてきましたが、

 

スッと解決できる人もいる中で、

 

なぜ、こんなにもこじらせてしまうのか、

どうして、悪循環にはまってしまったのか、

 

ずっと考えていましたが、

 

それは、「生きている間の関係性が、健全だったかどうか」によると思います。

 

 

怒ることをしないとか、

完璧な関係とかではなく、

 

しっかりとコミュニケーションが取れていて、

相手の立場を思いやり、自分にできることを最大限にしているか。

 

不満不平があっても、お互いに解決しようと本音で話せる関係かどうか。

 

善悪でもなく、世間体でもなく、

人と人として、心と心が通っているかどうか。

 

コントロールもなく、

押し付けもなく、誤解もない、寄り添える関係かどうかに、大きく関わってくると思います。

 

 

 

死を目前にすると、

当たり前のように生きていたときに悩んでいたことはどうでもよくて、

 

もっともっと違うところにある、幸せを得るヒントに気がつきます。

 

 

死が目前に迫らなければ、気が付けないこと。

気が付けなかったこと。

 

「死別の悲しみ」を癒すだけでは、

やはり、どうしても足りない。

 

 

コーチングをかけ合わせたのには、

 

壮大な後悔や罪悪感、喪失感を、

薬や癒しで平気になったり、なくしたり、消してしまうのではなく、

 

(そもそも、消せないし、平気にはなかなかなれませんし、なくせません)

 

先に進む「力」に変えて、大きく前進することができるからです。

 

 

ある意味、ものすごくつらい思いをしたあなただけの「特権」です。

 

 

 

そして、それが本当のグリーフケア(喪失悲嘆を大切にする)であり、

 

命を全うした大切な人への、大きな感謝が湧き出る、唯一の方法でもあります。

 

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